料飲サービスのプロフェッショナルをめざす~現場で頼られる人になるための実践ガイド~

転職ノウハウ
料飲サービスのプロフェッショナルをめざす~現場で頼られる人になるための実践ガイド~

ホテルやレストランの現場で提供される、気持ちのよいサービス。それは、豊かな知識と確かな技術によるものです。
こうした料飲サービスのレベルを可視化する国家検定「レストランサービス技能検定」の受験資格が2025年に緩和され、未経験からでもキャリアを積みやすくなりました。
この記事では、料飲サービスに必要な「3つの力」や、具体的な資格についてご紹介します。

1.料飲サービスの核となる「3つの力」

料飲サービスは、3つの力が組み合わさることで成立します。

土台となる力は「知識」です。

接客マナーをはじめ、アレルギーに関する知識、飲み物や料理、それらの背景にある食文化への理解が深いほど、お客様へ提供できる情報の量を増やせます。
美味しい食事にプラスアルファの知識を聞くことで、お客様の満足度も上がります。

次に必要となるのが、「技術」です。

知っていることと、できているかは別のお話し。正確なテーブルセッティングや洗練された所作でのサーブは、業務効率を高めるだけでなく、お客様に安心感を与えます。
お客様の仕草から意図を汲みとる「察知する力」も、経験に裏打ちされた技術のひとつです。

3つめの力は、「ホスピタリティ」。

知識と技術に誠実なホスピタリティが加わると、料飲サービスのレベルはぐんと高くなります。
具体的には、マニュアルを超えた臨機応変な判断や、地域(北陸)の魅力を自分の言葉で分かりやすく伝える姿勢。これらはサービスの付加価値向上につながります。

2.国家資格「レストランサービス技能検定」をキャリアの指標に

料飲サービスの実力を客観的に証明する指標となるのが、料飲サービス系では唯一の国家資格である「レストランサービス技能検定」です。

2025年度から、1級受験に必要な実務経験年数が11年以上から7年以上に、2級は3年以上から2年以上へと、受験資格が緩和されました。
アルバイトやパートでの実務経験も認められるため、より多くの人が挑戦しやすくなっています。

試験は学科と実技で構成され、学科合格者のみが実技受験に進むことができます。
2025年の合格率は、1級60%、2級76.3%、3級76.1%。
しっかり準備を行えば、ステップアップできる難易度設定であることが分かります。

3.料飲サービスの専門性を高めるそのほかの資格

「レストランサービス技能検定」のほかにも、料飲サービスの付加価値を高める検定や資格があります。
専門領域を深めることで市場価値も上がり、現場で求められる人材に成長していけることでしょう。

マナー・プロトコール検定

「マナプロ」とも呼ばれているこの検定は、社会人としてのマナーや、プロトコール(国際的なマナーやエチケット)の知識と対応力を認定する資格です。
飲食業界をはじめ、ホテル業界やブライダル業界で働く人が取得する傾向にあります。

サービス接遇検定

ひと言でいえば、「感じのいい」サービスを提供できているかどうかの指標となる資格です。
敬語や態度、ふるまいに加えて、一人ひとりに適したサービスを提供できているかを審査されます。

J.S.Aソムリエ

ワインの専門家の証として、よく知られている資格です。
ワインを扱う飲食店が増えたいま、活躍の幅を広げる資格として人気があります。
合格率は30~40%で、簡単な資格ではありませんが、民間のスクールもあり、学びの選択肢は用意されています。

唎酒師(ききざけし)・焼酎唎酒師

日本酒版のソムリエ・焼酎版のソムリエが、唎酒師という資格です。
単体で楽しむのにぴったりなお酒のほか、料理とのペアリングを考えてお酒をセレクトすることも。
1日通学コース、その場で受験もできる2日間集中コース、オンデマンド受講コースなどがあり、合格率は70~90%です。
北陸は日本酒の名産地のひとつ。日本酒の知識を身につければ、お客様により深い満足を提供できることでしょう。

4.「安全・衛生」も、料飲サービスに不可欠な要素

知識や技術が優れていても、有資格者が何人いても、お客様の「安全・衛生」を守れなければ、意味はありません。安全・衛生への意識も、一流の料飲サービスに必要です。

防火管理者

消防法に基づいて、防火管理に関する責任を担う人をさします。
防火管理になるためには、飲食店を管理・監督できる地位にあることと、防火管理上必要な知識と技能を持っていることを求められます。
後者の要件は、防火管理講習を修了することで満たすことができます。

食品衛生責任者

飲食店などの衛生管理全般を担当する人をさします。
要件を満たしている場合は、食品衛生責任者養成講習会を受けることで資格を取得できます。

HACCP(ハサップ)

ハサップに則った衛生管理は、個人経営のカフェからチェーン店まで、食品を扱う全ての事業者に義務化されています。
ハサップの特徴は、食品の調理工程ごとに起こり得る危険を想定し、問題が起こらないように備える、予防の観点を重視している点にあります。
日々の衛生管理を記録する必要もあるため、万が一問題が起こった時にも、原因を突きとめやすくなります。

アレルギー対応

アレルギー特定原材料の知識と厨房との正確な連携で、お客様からアレルゲンを遠ざけ、安心して食事を楽しめる環境を整えます。

救命講習

急病などで、お客様が急に倒れてしまう可能性もゼロではありません。
AEDを使って電気ショックを与えたり、心肺蘇生を実施したりすることで、命が助かる確率を上げることができます。

まとめ:地域を知りながら経験を積み、たくさんの人に喜んでもらえる“観光のプロ”に

料飲サービスのプロフェッショナルへの道は、知識・技術・ホスピタリティや専門知識、安全・衛生への意識など、現場で日々求められるスキルを磨き続けることから始まります。
北陸の飲食・宿泊・観光業界は、インバウンド需要もあって盛り上がっています。
パート・アルバイトからスタートして実務経験を積みながら、一歩ずつ確実に、プロへの階段を登っていきましょう。